交通事故を起こしてしまった場合、皆さんは何をすれば良いかご存じでしょうか？
万が一、事故を起こしてしまった時の対応とその後の流れについて解説します。

1.初期対応

事故を起こしてしまった直後の初期対応について以下で説明していきます。
①　まずはけが人の救護を行いましょう。
必要な場合は救急車や消防車を呼んでください。
②　警察に電話を掛けましょう。
警察への連絡を怠ると事故を証明する事故証明書が発行されないため、保険会社からの保険金や相手への慰謝料などを請求できなくなってしまう可能性があります。小さな事故でも当事者間で解決せず、必ず警察を呼んでください。
③　車を移動しましょう。
車を動かす余裕がある場合は交通の妨げにならない道路脇などに車を止めておきましょう。あわせて当事者との連絡先や目撃者の連絡先を把握しておきましょう。
④　保険会社に連絡しましょう。
加入している保険会社への連絡も忘れずに行ってください。こちらも忘れると保険金の受け取りができなくなってしまいます。

交通事故を起こして加害者になってしまった場合は下記の画像のようにその後の流れで行政責任、刑事責任、民事責任を問われることになります。

2.行政処分

現場での事故の処理が終わった後は警察と公安委員会によって行政責任が問われ、免許の失効や停止などの行政処分が下されます。
まずは警察に対して証拠を提出したり、取り調べを受けることになります。その後、警察が交通違反の内容を確認し、免許に違反点数の加算が行なわれます。
警察の調査を元に免許の取消や効力の停止などの行政処分が公安員会によって決定します。処分の前に警察や公安委員会による意見の聴取※1が行なわれることになります。

※１…意見の聴取とは免許の取消や失効処分を下される前に自分が起こした交通違反について自分の意見を述べたり証拠を公安員会に対して提出したりする機会のことです。
事故の様態が自分の主張（記録）と異なる場合は行政書士や弁護士などの代理人を依頼し、主張を裏付ける証拠を集め、提出、説明が可能です。

3.刑事裁判

重大な交通違反をした場合や死亡事故などを起こしてしまった場合、刑事裁判で検察から起訴され刑事責任を問われることになります。刑事裁判では裁判官の判決により罰金刑、禁固刑や懲役刑などの刑罰が決定されます。
この際に自分の主張と異なる場合は弁護士を雇って交通違反の有無などを主張する必要があります。

4.民事裁判

民事裁判によって損害賠償に関する民事責任が問われることになります。
まずは、加入されている保険会社による示談が始まりますが、示談がまとまらず調停でもまとまらない場合に弁護士を通じて民事裁判が行なわれます。
民事裁判では加害者が支払う損害賠償額が決定することになります。この際に重要となるのが過失割合です。
過失割合とは交通事故に対する責任の割合のことで、交通違反の重大さによって変動し、損害賠償額が決定することになります。

5.まとめ

以上が交通事故を起こしてしまった時の流れとなります。
意見の聴取、刑事裁判、民事裁判では交通事故鑑定人による客観的な交通事故鑑定書が重要な証拠となります。主張による証拠より、記録による証拠が事故の真相解明には不可欠です。動画などの記録がある場合は交通事故鑑定書による証拠提出をすることで真実を伝えることができます。　

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