今回は進路変更をしたときの交通事故に関して基本の過失割合や修正要素、主張すべき要素を車線変更車両の目線に立って解説していきます。
以前に後続直進車両側が主張すべきことについても解説していますのでご覧ください。
→【過失割合】車線変更による事故 後続直進車が主張できること
過失割合とは、交通事故の当事者間に事故を招いた責任がどれくらいあるのかを数値化したものです。過失割合を元に相手に対して支払う金額、自分が受け取る金額が決定されるので、過失割合は交通事故後の補償にとって重要なものになっています。
一般道において後続の直進車両と車線変更を行なった車両との事故における基本の過失割合は車線変更車両:後続直進車両=70:30となっています。
車線変更を行なった車両の方が基本の過失割合が大きくなっているのは、道路交通法上ではみだりに進路変更をしてはいけないことが規定されているからです。
しかし、過失割合は基本の過失割合に後述する修正要素を考慮して最終的な過失割合が導かれます。そのため、後続直進車両に交通違反がある場合は車線変更車両の過失割合が少なくなる可能性があります。
修正要素とは基本の過失割合に対して双方の過失によって変動する過失要素のことです。
基本の過失割合が修正要素によって変動することになります。裁判や示談では基本の過失割合に修正要素を考慮して最終的な過失割合が決定することになります。例えば後続直進車(B)側に時速30㎞以上の速度違反、その他の重過失がある場合、基本の過失割合である進路変更者(A):後続直進車両(B)=70:30が30:70に変動することになります。
次に、後続直進車両が主張すべき修正要素を説明していきます。以下の表が車線変更車両と直進車両との交通事故で修正要素をまとめたものです。修正要素過失割合を変動させるために主張すべき修正要素としては下記の表オレンジ色の枠線で囲んだ部分となります。
・後続直進車両(B)のゼブラゾーン進行
ゼブラゾーンはみだりに進入するべきでは無いという一般的な考えがあることからゼブラゾーンを進行した後続直進車両に過失が認められ、後続直進車両に基本過失割合から-10もしくは-20されます。
・後続直進車両(B)の時速15km以上、30km以上の速度違反
進路変更をするか否かを判断する際に、後続直進車両の速度違反がある場合、適切な判断ができないため、後続直進車両に法定速度より時速15km以上の速度超過がある場合は進路変更車両(A)の過失割合が-10、時速30㎞以上の速度超過がある場合は-20されます。
・後続直進車(B)のその他の著しい過失
後続直進車(B)がゼブラゾーン進行、速度違反以外のその他の著しい過失を行っていた場合は、車線変更車(A)の基本の過失割合が-10されます。その他の著しい過失の例として脇見運転及び前方不注視、携帯電話の使用、酒気帯び運転などがあります。
・進路変更車両(B)のその他の重過失
著しい過失よりもさらに重い過失である重過失を後続直進車(B)が行っていた場合は後続直進車両(A)の基本の過失割合が-20されます。その他の重過失の例としては酒酔い運転、居眠り運転、無免許運転などがあります。
今回は車線変更車両と直進車両の過失割合について説明しました。
交通事故は事故内容によって基本の過失割合が設定され、基本の過失割合ではご自身の過失割合が大きく設定されていることがございます。しかし、相手に事故の原因となるような交通違反があった場合、修正要素を考慮して自分の過失割合が少なくなる場合がございます。
相手の方から提示された過失割合がご自身の考えと異なる場合は交通事故鑑定のご利用をご検討ください。
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S様
父が交通事故被害に遭い、突然亡くなりました。
加害者の供述、警察の実況見分調書記載の内容に納得いかず、事故の際、前後をたまたま走行していた両車両タクシーのドライブレコーダー映像を観て、加害車両の速度等の解析について、すがる思いでジェネクスト社へ依頼しました。
解析結果では、加害者の供述を遥かに超えた速度が算出され、公平なる意見書を作成、また適切なアドバイスを頂け、納得のいくサービスでありました。
反省のない被告に対し少しでも罪の意識をもってほしいとの気持ち、また、父親の名誉の為「真実は何か」との思いで裁判証拠資料として提出させて頂きました。
裁判等初めての経験ではありましたが、ドライブレコーダーの重要性を再認識させて頂いたと共に、今後、同様に事故の被害に遭われた方々には、ジェネクスト社への相談を是非おススメしたいと思います。
西条タクシー株式会社 代表取締役 西条勝昭様
タクシー会社を経営していると、いろいろな事故を扱います。
しかしここ数年、事故の相手方に悪質なケースが急増していることを実感しています。
今回の事故も、明らかに相手方の重過失で通常の事故処理で終わるはずでした。ところがどういう訳か、突然当社の乗務員が事情聴取され、行政処分の通達まできてしまいました。明らかに何かのコネクションによる力を感じました。
ドライブレコーダーの映像があったので裁判まで持ち込もうと思いましたが、ジェネクスト株式会社の笠原氏と出会い、ドライブレコーダーの解析、調査書を作成してもらい、検察に提出したところ、裁判をするまでもなく不起訴処分を勝ち取ることができました。
今回の件で、ドライブレコーダーの映像だけでなく、しっかりとした事故解析、それを文章化した調査書が非常に重要だと感じました。
笠原氏には、本当に感謝しています。非常識な加害者や不当な処分からドライバーを守るために、ジェネクスト株式会社を心から推薦致します。