今回は同一方向を進行している時の進路変更車と後続直進車との交通事故に関して基本の過失割合や修正要素、主張すべき要素を後続直進車両の目線に立って説明していきます。
過失割合とは、交通事故の当事者にお互いにどれくらいの責任があるのかを数値化したものです。過失割合を元に相手に対して支払う金額、自分が受け取る金額が決定されるので、過失割合は交通事故後の補償にとって重要なものになっています。
例えば、損害賠償金が1000万円で過失割合が自分:相手=80:20の場合、自分が受け取れる金額は800万円となります。しかし過失割合が自分:相手=100:0となった場合、自分が受け取れる金額が1000万円となります。大きな金額になればなるほど過失割合が1割変動するだけで貰える・支払う金額に大きな違いが生まれることになります。
一般道において後続の直進車と車線変更を行なった車両との事故における基本の過失割合は後続直臨車両:前方車線変更車両=30:70となっています。
車線変更を行なった車両の方が基本の過失割合が大きくなっているのは、道路交通法26条の2第1項において、みだりに進路変更をしてはいけないことが規定されているからです。
後続の直進車においても、前方の確認が必要とされているので3割の過失割合が基本の過失割合として認定されています。
この過失割合は車線変更を行う車両が左右どちらの方向に車線変更を行っても同じ基本の過失割合が適用されます。
修正要素とは基本の過失割合に対して双方の過失によって変動する過失要素のことです。
基本の過失割合が修正要素によって変動することになります。
事故の形態ごとに異なっていて、車線変更車と直進車との事故については以下の表のような修正要素があります。裁判や示談では基本の過失割合に修正要素を考慮して最終的な過失割合が決定することになります。
後続直進車が過失割合を変動させるために主張すべき修正要素としては、下記の表オレンジ色の枠線で囲んだ部分となります。それぞれの修正要素についてより詳しく説明していきます。
※1 ゼブラゾーンとは…ゼブラゾーンとは交差点の手前などで斜めの白線を囲んでいる道路標識のことで交差点において通行を円滑にするために設置されています。法律で通行の禁止が規定されているわけでは無いですが、みだりに進入するべきではないという考え方が一般的であるため、ゼブラゾーンを通行した車両は過失割合がプラスされています。
・進路変更禁止場所
原則として進路変更禁止場所において進路変更を行なった場合は過失が認められるため、後続直進車(A)の過失割合が基本の過失割合から-20されます。
・進路変更車(B)の合図無し
進路変更車(B)が進路変更に際して合図を出していなかった場合、後続直進車(A)は事故を避けるための行動が取りにくくなるため、後続直進車(A)の基本の過失割合から-20されます。
・後続直進車(A)の初心者マーク
後続直進車(A)に初心者マークがついている場合は道路交通法第71条5号の4により進路変更車(A)に進路変更に際しての注意義務が課されることから後続直進車(A)の基本の過失割合が-10されます。
・進路変更車(B)のその他の著しい過失
進路変更車(B)がその他の著しい過失を行っていた場合は、後続直進車(A)の基本の過失割合が-10されます。その他の著しい過失の例として脇見運転及び前方不注視、携帯電話の使用、酒気帯び運転などがあります。
・進路変更車(B)のその他の重過失
著しい過失よりもさらに重い過失である重過失を進路変更車(B)が行っていた場合は後続直進車(A)の基本の過失割合が-20されます。その他の重過失の例としては酒酔い運転、居眠り運転、無免許運転などがあります。
今回は車線変更車と直進車の過失割合について説明しました。
交通事故の態様によって基本となる過失割合と修正要素が異なります。
他の記事では異なる事故の態様について基本の過失割合と修正要素について説明していますので、ぜひご覧ください。
示談や裁判を進めていく中でご自身の主張と相手方から提示された過失割合が違う場合は事故鑑定のご利用をご検討ください。
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S様
父が交通事故被害に遭い、突然亡くなりました。
加害者の供述、警察の実況見分調書記載の内容に納得いかず、事故の際、前後をたまたま走行していた両車両タクシーのドライブレコーダー映像を観て、加害車両の速度等の解析について、すがる思いでジェネクスト社へ依頼しました。
解析結果では、加害者の供述を遥かに超えた速度が算出され、公平なる意見書を作成、また適切なアドバイスを頂け、納得のいくサービスでありました。
反省のない被告に対し少しでも罪の意識をもってほしいとの気持ち、また、父親の名誉の為「真実は何か」との思いで裁判証拠資料として提出させて頂きました。
裁判等初めての経験ではありましたが、ドライブレコーダーの重要性を再認識させて頂いたと共に、今後、同様に事故の被害に遭われた方々には、ジェネクスト社への相談を是非おススメしたいと思います。
西条タクシー株式会社 代表取締役 西条勝昭様
タクシー会社を経営していると、いろいろな事故を扱います。
しかしここ数年、事故の相手方に悪質なケースが急増していることを実感しています。
今回の事故も、明らかに相手方の重過失で通常の事故処理で終わるはずでした。ところがどういう訳か、突然当社の乗務員が事情聴取され、行政処分の通達まできてしまいました。明らかに何かのコネクションによる力を感じました。
ドライブレコーダーの映像があったので裁判まで持ち込もうと思いましたが、ジェネクスト株式会社の笠原氏と出会い、ドライブレコーダーの解析、調査書を作成してもらい、検察に提出したところ、裁判をするまでもなく不起訴処分を勝ち取ることができました。
今回の件で、ドライブレコーダーの映像だけでなく、しっかりとした事故解析、それを文章化した調査書が非常に重要だと感じました。
笠原氏には、本当に感謝しています。非常識な加害者や不当な処分からドライバーを守るために、ジェネクスト株式会社を心から推薦致します。