令和5年に道路交通法が改正され、運転免許が必要だった電動キックボードに、免許なしで乗れる特定小型原動機付自転車という車両区分が新設されました。しかし、ひき逃げや逆走など電動キックボード利用者による悪質な運転や事故が目立っています。そこで今回は電動キックボードの中で免許が不要とされている特定小型原動機付自転車について解説していきます。
以下の基準を満たした電動キックボードは特定小型原動機付自転車という車両区分になり、従来の車両区分であった一般原動機付自転車と交通ルールが異なります。乗車前に確認しましょう。
【車体の大きさ】
長さ: 190センチメートル以下 幅: 60センチメートル以下
【車体の構造】
・原動機として、定格出力が0.60キロワット以下の電動機を用いること。
・時速20キロメートルを超える速度を出すことができないこと。
・走行中に最高速度の設定を変更することができないこと。
・AT(オートマチックトランスミッション)機構がとられていること。
・最高速度表示灯※がつけられていること。
※最高速度表示灯とは、電動キックボードに取り付けられている緑色に点灯、点滅するランプのことです。最高速度最高速度時速20㎞のモードで走行する際は点灯、歩道を通行するために最高時速6㎞のモードで走行する場合は点滅させて走行する必要があります。
【保安基準】
特定小型原動機付自転車として公道を通行する際には保安基準を満たした機能を搭載した電動キックボードに乗る必要があります。保安基準を満たした製品には「性能等確認済シール」や「型式認定番号標」※などがつけられています。購入や乗車の前に確認しましょう。
※政府広報オンライン【電動キックボードに関する交通ルールを確認しましょう!】
特定小型原動機付自転車の車両区分となった電動キックボードが守る代表的な交通ルールについて解説していきます。安全な運転をするために必ず守ってください。違反した場合は交通違反になり、免許を所持していなくとも罰則が科されます。乗車前によく確認しましょう。
【運転前の交通ルール】
●16歳未満の運転禁止
16歳以上であれば運転免許を必要としませんが、16歳未満の場合は運転が禁止されています。16歳未満の人への貸し出しも禁止です。
●ナンバープレートの取付
ナンバープレートの取付は義務です。購入した電動キックボードの販売証明書などを持って近くの役所で交付手続きを行い、車体の見やすいところに取付けてください。
●自賠責保険の加入
自賠責保険の加入は義務となっています。インターネット上でも簡単に加入できます。事故に備えて必ず入りましょう。
●ヘルメットの着用
ヘルメットの着用義務は努力義務となっていて着用しなくても罰則はありません。しかし、二輪車において頭部への損傷は致命傷につながります。自分の命を守るためにヘルメットは着用してください。
【運転時のルール】
●走行場所
基本的には車道の左側の端を走行してください。「自転車道」「普通自転車専用通行帯」などの標識がある道路を走行することもできます。最高時速6㎞までのモードに変更ができて、走行時に最高速度標示が点滅でき、走行中にブレーキの操作が可能です。
歩行者に危害を与えるおそれがある側車・鋭利な突出部が車体に搭載されていないという条件を満たした電動キックボートは「普通自転車等及び歩行者等専用」の標識がある場合のみ歩道を走行できます。歩道を通行する場合は歩道の中心から車道寄りの部分を走行し、歩行者の妨げとなるときは一時停止する必要があります。
●最高速度
車道は最高速度が時速20㎞まで、歩道を走行する際は時速6㎞までとなっています。歩道を走行する際は最高速度時速6㎞で走行するモードに切り替えてください。
●交差点での通行方法
右折する場合は二段階右折、左折する場合はあらかじめウィンカーを点灯しできるだけ道路の左端に沿って左折しましょう。
以下の事項は交通ルールの中でも特に事故につながるおそれのある行為です。自動車など免許を持っている場合は免許の停止・取消処分を下されることもあり、交通ルール違反の中でも特に重い処分が下されます。
●飲酒運転
判断力が低下し、交通事故を引き起こします。自動車などでは免許停止や免許取消処分になる重大な交通違反です。飲酒運転をした場合、しなかった場合に比べて衝突した相手の死亡率が約9倍になります。絶対にしないでください。また、お酒を飲んだドライバーだけでなく提供者も厳しく処罰されます。
罰則:5年以下の懲役又は100万円以下の罰金等
●2人乗り
特定小型原動機付自転車では2人乗りは禁止されています。特定小型原動機付自転車は原付一種とほとんど同じ車両区分となっていて、どちらも乗車人数は1人までと制限されています。
罰則:5万円以下の罰金
●スマートフォン等で通話をしたり、画面を見たりしながらの走行
周りの音や状況を判断することが出来なくなり、歩行者や車両に衝突するなど重大な交通事故に繋がります。自動車を運転していた場合は免許停止の処分が下されることもあります。運転中はスマートフォンや携帯などを触らないようにしましょう。
罰則:1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
今回は免許なしで乗れる電動キックボードについて紹介しました。
電動キックボードに関する法改正が行われてから気軽に乗れるようになりましたが、ドライバーによる交通ルール違反が原因となる死亡事故が多発しています。
事故は交通ルールを守ることで予防することができ、自分や周りの人の命を守ることができます。車両区分と交通ルールを遵守し、歩行者、四輪車の目線にたった運転を行ってください。
電動キックボードは便利な乗り物ですが、自分の運転次第で恐ろしい凶器になってしまうということを意識して、安全運転をしていきましょう。
交通事故トラブルを解決する情報については、こちらのサイトで詳しく解説されています。 参考:交通事故に関する記事一覧|法律相談ナビ
交通事故でお困りの方へ
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S様
父が交通事故被害に遭い、突然亡くなりました。
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解析結果では、加害者の供述を遥かに超えた速度が算出され、公平なる意見書を作成、また適切なアドバイスを頂け、納得のいくサービスでありました。
反省のない被告に対し少しでも罪の意識をもってほしいとの気持ち、また、父親の名誉の為「真実は何か」との思いで裁判証拠資料として提出させて頂きました。
裁判等初めての経験ではありましたが、ドライブレコーダーの重要性を再認識させて頂いたと共に、今後、同様に事故の被害に遭われた方々には、ジェネクスト社への相談を是非おススメしたいと思います。
西条タクシー株式会社 代表取締役 西条勝昭様
タクシー会社を経営していると、いろいろな事故を扱います。
しかしここ数年、事故の相手方に悪質なケースが急増していることを実感しています。
今回の事故も、明らかに相手方の重過失で通常の事故処理で終わるはずでした。ところがどういう訳か、突然当社の乗務員が事情聴取され、行政処分の通達まできてしまいました。明らかに何かのコネクションによる力を感じました。
ドライブレコーダーの映像があったので裁判まで持ち込もうと思いましたが、ジェネクスト株式会社の笠原氏と出会い、ドライブレコーダーの解析、調査書を作成してもらい、検察に提出したところ、裁判をするまでもなく不起訴処分を勝ち取ることができました。
今回の件で、ドライブレコーダーの映像だけでなく、しっかりとした事故解析、それを文章化した調査書が非常に重要だと感じました。
笠原氏には、本当に感謝しています。非常識な加害者や不当な処分からドライバーを守るために、ジェネクスト株式会社を心から推薦致します。