2024年の3月5日に自転車にも交通違反を取り締まるための青切符の適用を盛り込んだ道路交通法の改正案が内閣にて閣議決定されました。背景には自転車の悪質な交通違反や自転車の事故が後を絶たないことがあります。そこで今回は自転車事故の現状と事故を起こさないために守るべき交通ルールについて解説していきます。
まずは自転車事故の現状について見ていきます。
下のグラフは道路交通法における自転車関連事故(※)の件数と全交通事故に占める構成比率をグラフにしたものです。グラフを見ると自転車関連事故件数は令和2年から増加しており、全ての交通事故に占める自転車関連事故の構成比率も年々増加していることが分かります。
※自転車関連事故とは…自転車関連事故とは事故を起こした自転車が第1・第2当事者となる事故のことです。第1・第2当事者とは事故当事者不注意の軽重により決定される順位のことで、より不注意の程度の重い方が第1当事者、より軽い方が第2当事者となります。不注意の程度が同じ場合はけがの程度で決まり、軽い方が第1、重い方が第2当事者となります。
続いて自転車事故の特徴について説明します。
下のグラフは自転車乗車中の死亡・重傷事故件数を法令違反別に並べたものです。
グラフから分かる自転車事故の特徴として死亡・重傷事故件数のうち約70%以上の件数で自転車側にも法令違反があることが分かります。
実例として、平成29年に起きた自転車と歩行者の衝突で歩行者を死亡させてしまった事故においては、自転車側に通行が禁止されている歩道をイヤホンを装着し、スマートフォンを操作しながら運転するという複数の交通違反が確認されています。このように自転車事故において自転車側に法令違反がある割合は多く、死亡事故など重大な事故を引き起こす原因となっています。
それでは自転車事故を起こさないためにはどのような運転を行えば良いでしょうか。
事故を起こさないためには道路交通法に基づく交通ルールを遵守した運転を行うことが重要です。そこで自転車が守るべき代表的な交通ルールである「自転車安全利用五則」とその他の交通ルールについて説明していきます。
・車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
自転車は道路交通法上で車両の一部という扱いになっています。そのため原則として車道を通行する必要があります。
歩道の通行は「自転車歩道通行可」標識がある場合や、車道を走行することが困難な場合、運転者が13歳未満または70歳以上の高齢者、体の不自由な方の場合などに限られ、あくまでも例外です。
道路標示などがあり歩道を通行する際は歩行者の進行を妨げないようにする必要があります。
また原則として左側通行です。道路の右側を走行すると左側通行している車両と逆走することになり衝突の危険があるのでやめましょう。
・交差点では信号と一時停止を守って安全確認
歩行者用信号機がある場合はその信号に従い、ない場合は自動車用信号機に従いましょう。止まれの標識がある場所では自動車だけでなく自転車も一時停止する必要があります。
・夜間はライトを点灯
夜に自転車で道路を走る時は前照灯及び尾灯をつけなければなりません。ライトをつけるのは夜道を明るく照らすことで安全に進めるようにするためでもあり、自動車など周りに自分の存在を知らせるためです。
・飲酒運転は禁止
自動車と同様に自転車も飲酒運転は絶対にしないでください。判断力が低下し重大な事故を起こすリスクが高まります。
・ヘルメットを着用する
ヘルメットは道路交通法上において努力義務となっていて着用しなくても罰則等はありません。しかし、自転車乗用中に亡くなった方のうち頭部が致命傷となった方の割合が約五割となっていることから、頭部を守るためにもしっかりと着用するようにしましょう。
・ながら運転
イヤホンやヘッドホンで音楽を聞きながら、運転やスマートフォンを操作しながら、傘をさしながらなどのながら運転は辞めましょう。片手運転をすることでバランスを崩しやすくなったり、視界が遮られたり、音が遮断されることで事故のリスクが高まります。
今回は自転車事故の現状と守るべきルールについて説明しました。
自転車は免許が必要無く、自動車に比べて簡単に乗ることができますが、正しく乗らないと重大な交通違反をして、交通事故を起こし自分や他人に大きな傷害を与えてしまうことになります。自転車に乗る際は自分や周りの人が安全に通行できるように交通ルールを守って正しく運転を行いましょう。
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S様
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今回の件で、ドライブレコーダーの映像だけでなく、しっかりとした事故解析、それを文章化した調査書が非常に重要だと感じました。
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