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バイクと四輪車の右直事故で裁判になったらどうする?主張すべきポイントについて解説します!(青信号の場合)


弊社で行っている交通事故鑑定では、右折する直進車と直進するバイクとの交通事故を鑑定することがあります。
そこで今回は交差点における四輪車とバイクとの交通事故に関して、直進四輪車側の目線から基本の過失割合や修正要素、主張すべき要素について説明していきます。

1.過失割合とは

過失割合とは、交通事故の当事者にお互いにどれくらいの責任があるのかを数値化したものです。過失割合を基に相手に対して支払う金額、自分が受け取る金額が決定されるので、過失割合は交通事故後の補償にとって重要なものになっています。
過失割合は事故の内容によって設定されている基本の過失割合と修正要素を基に決まることになります。事故の内容が同じでも四輪車と自転車、四輪車とバイクなど事故を起こした相手によって基本の過失割合も変わります。例えばバイクと四輪車の事故では四輪車同士の事故に比べて基本の過失割合がバイクの方が高くなるように設定されています。なお道路交通法上においてバイクには原動機付自転車も含まれています。

2.基本の過失割合

バイクと四輪車との右直事故において基本の過失割合は信号の有無や色によって代わります。
今回はバイクと四輪車がともに
青信号で交差点に進入した場合の基本の過失割合を解説します。
基本の過失割合は
右折四輪車(A):直進バイク(B)=85:15となっています。
右折した四輪車の方が過失割合が大きくなる理由は2つあります。1つは道路交通法第37条において交差点での直進・左折を行おうとしている車両がある場合に右折車両は進行妨害をしてはいけないという理由です。もう1つの理由はバイクが四輪車よりも小さく、四輪車に比べ事故によるけがをしやすいことから、元々の過失割合がバイク側に有利となるように決定されているからです。

3.修正要素

続いて、過失割合の修正要素について説明します。
修正要素とは基本の過失割合に対して双方の過失によって変動する過失要素のことです。基本の過失割合が修正要素によって変動することになります。
事故の形態ごとに異なっていて、交差点における右折車両と直進バイクとの事故については以下のような修正要素があります。裁判や示談では基本の過失割合に修正要素を考慮して最終的な過失割合を決めていく必要があります。

4.右折車(A)が主張すべき修正要素

以下の表は交差点における右折四輪車と直進バイクとの修正要素をまとめたものです。
右折車両(A)が過失割合を変動させるために主張すべき修正要素としては下記の表オレンジ色の枠線で囲んだ部分となります。
それぞれの修正要素についてより詳しく説明していきます。

※1 直近右折とは…右折車が直進車と至近距離で右折することを直近右折と言います。
※2 早回り右折・大回り右折とは…道路交通法第34条2項より、交差点中心の直近の内側を進行しない右折のことを早回り右折といい、
あらかじめ道路の中央によらない右折のことを大回り右折と言います。

・15km/h以上の速度違反
直進バイク(A)の速度が法定速度を15km/h以上超過していた場合、右折車両(A)の過失割合が基本の過失割合から-10されます。

・30km/h以上の速度違反
直進バイク(A)の速度が法定速度を30km/h以上超過していた場合、右折車両(A)の過失割合が基本の過失割合から-20されます。

・既右折
直進者が交差点に進入する時点において、右折車が右折を完了していたりそれに近い状態にあることを既右折といいます。右折車の右折開始の時点が早い場合は直進車としても事故回避措置をとりえる余地が大きくなることから右折車(A)の基本の過失割合から-10されます。

・道路交通法第50条違反の交差点進入
道路交通法第50条1項において交通整理の行なわれている交差点に進入しようとする車両は渋滞などの進路前方の車両等の状況により、交差点内で停止することとなり、車両等の通行の妨害となる恐れがあるときに、当該交差点に入ってはならないと規定されています。直進車両がそれに違反して進入した結果、右折車両と衝突した場合は右折車(A)に有利な修正要素として右折車(A)の基本の過失割合から-10されます。

・直進車Bのその他の著しい過失・重過失
著しい過失もしくはさらに重い過失である重過失を直進バイク(B)が行っていた場合は後続直進車両(A)の基本の過失割合が-10されます。
その他の著しい過失の例としては脇見運転および著しい前方不注視、著しいハンドル・ブレーキ走査不適切などがあります。
その他の重過失の例としては酒酔い運転、居眠り運転、高速道路におけるヘルメット不着用があげられます。

 

5.まとめ

今回はバイクと四輪車との右直事故について双方車両とも青信号の場合で解説してきました。
バイクと四輪車との右直事故においては信号の有無や色によって基本の過失割合が変わります。また速度によっても修正要素が大きく変わります。
事故の際に相手から提示された過失割合が自分の主張と異なる場合は、客観的な証拠を作成する交通事故鑑定のご利用をご検討ください。
また他の事故態様における過失割合も他の記事で解説しているのでぜひご覧ください。

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